弁天通の谷と廃線跡を散歩~赤羽②~

街歩き

こんにちは
散歩ライフのポルトです。

今回は赤羽の2回目です。前回の廃線跡の続きと赤羽の谷②「弁天通の谷」 がつくった坂を紹介します。赤羽の起伏に富んだ地形を一望できるスポットや急勾配の坂を堪能してきました。

地形の特徴

今回歩いたルートを赤線で示しています。赤羽駅を起点にぐるっと歩いてきました(歩行距離 約7km)。今回は、Aの地点から再開します。まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形図>カシミール3Dより 標高別に色分け:茶色(高い)⇔深緑(低い)

<地形の特徴>
・荒川・新河岸川・隅田川:地形図・左端上部から流れてきて右端に流れてゆきます
・荒川の低地:荒川の流れに沿って、川によって浸食された低地(灰色部分)が広がっています
・赤羽の台地:中央から左下の黄色~茶色の部分です。東京の台地の北側・突端に位置します
・赤羽の3つの谷:JRの線路から西に向かって3つの谷(緑色部分)があります。
 北側から順に、①八幡谷、②弁天通の谷、③稲付谷と呼ぶことにします。

それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。今回は、赤羽自然観察公園・西門からスタートです。

廃線跡

旧陸軍の軍用引込線の廃線跡をたどります。軍用引込線は、赤羽八幡神社の東で東北本線から引込まれ、ナショナルトレーニングセンター(旧陸軍・兵器補給廠跡)まで続いていたようです(青線部分)。

前回は、廃線跡を整備して作られた赤羽緑道公園を紹介しました。今回は、その後の部分をたどります。

赤羽自然観察公園・西門から歩道橋を渡って車道の向い側に進みます。車道から島下公園の眺めです(水色の構造物は、今渡ってきた歩道橋です)。公園が深い窪地になっているのが分かります。廃線は公園左端の崖上(若葉福祉園の敷地内)を通っていたようです。

若葉福祉園(裏門)の横の道が廃線跡です。

この後、廃線跡には住宅が建てられており、道は一旦途切れます。しかし、住宅の境界線(赤い矢印)に廃線跡の名残が残っています。面白いですね!

廃線跡です。ゆるくカーブして、 ナショナルトレーニングセンターに続いています。

廃線の終点・ナショナルトレーニングセンター(旧陸軍・兵器補給廠跡)です。
東京オリンピックで活躍した選手達が、ここでトレーニングをして励んでいたようです。

「弁天通の谷」に続く坂

赤羽の谷②「弁天通の谷」によって作られた坂に向かいます。

勾配20%の坂です。見た目はそんなに傾斜がないように見えます。

蛇坂(左の階段上)と市場坂(右の階段上)の間にある谷です。この辺りが谷頭のようです。
北谷(きたやつ)と呼ばれ、昔は湧水を貯めて作った釣堀があったそうです。夏の夕暮れ時には、この谷をうめつくす程のヤンマが飛び交っていたようです。今は住宅地となっていて面影はありませんが、谷の地形はしっかり残っています。こういう所を見つけると地形好きにはたまりません。

蛇坂です。その名の通り、蛇のようにくねって(カーブして)います。イイ感じの坂が続きます。

蛇坂(階段下の道)の中腹から台地上に続く、階段を上ります。蛇坂の下にも下り階段が見えます。2段階の階段が見えて面白いです。

台地上から弁天通に続く階段です。弁天通(谷筋)の低層住宅と赤羽台(台地)の高層住宅を一望できます。地形がよく分かる良いスポットです。
階段を下ってゆきます。

弁天坂です。 最後に紹介する亀ケ池弁財天に近かったのが名前の由来です。登ってゆきます。見た目以上に急斜面でかなりきついです!

台地上から三日月坂の下に続く階段です。下ってゆきます。

三日月坂です。坂上の北側あたりに三日月茶屋あったことから名付けられたようです。ここも勾配20%です! 登りはすごくきつかったです。

坂上から静勝寺に向かいます。

静勝寺と亀ケ池弁財天

静勝寺(稲付城跡)です。江戸城を造った室町時代の武将・太田道灌が、砦として使っていた稲付城(いねつけじょう)の跡です。道灌の死後、道灌の菩提寺として建立されたようです。
風格のある社殿と手入された境内の緑が美しいです。

道灌堂にある道灌の座像です。現存する唯一の木像として大変貴重なもののようです。毎月26日(月命日)のみ見ることができます。

台地から弁天通に続く階段です。下ってゆきます。弁天通を渡ると亀ケ池弁財天に続いています。

弁天通です。次に紹介する亀ケ池弁財天に近かったのが名前の由来です。赤羽自然観察公園から続く谷筋です。かつては、三業地として栄えたそうです。

亀ケ池弁財天です。 亀ケ池は小さな池ですが、昔は赤羽駅西側に広がる大きな池だったようです。稲付城(今の静勝寺)西側の、天然の防御だったようです。
亀がのんびりと甲羅干しをしています。ゆったりとした時間が流れていて、リラックスできました。

今回の街歩きは、ここまでになります。赤羽の谷②「弁天通の谷」 がつくった坂を沢山上り下りして愉しみました。

皆さんも、廃線跡をたどったり、赤羽の起伏のある地形を高台から眺めて楽しんでみてはいかがですか?

今回も以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・増補改訂 東京スリバチ地形散歩(皆川典久・著/宝島社)
・東京23区凸凹地図(皆川典久・荻窪圭・松本泰生・本田創:著/昭文社)

特に「東京23区凸凹地図」は、地図上に高低差が色分けされていて、尾根筋・谷筋が手に取るようにわかります。さらに、地図上に川跡・暗渠、古道、坂道・階段の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討にも最適です。
もちろん、街歩き中に携帯し、地形を確認しながら歩くと、一層街歩きが楽しくなります。
街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。

価格:¥2,200(2021/9/15 9:00時点)、発売:2020年12月

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