こんにちは
散歩ライフのポルトです。
今回は、これまでのストックから厳選した散歩の紹介です。
神田川の源流部見たさに井の頭公園に行ってきました。ついでに、玉川上水も散歩しちゃいました。
地形の特徴
今回歩いたルートを赤線で示しています。吉祥寺駅を起点にぐるっと歩いてきました(歩行距離 約5.5km)。標高差は約8mと勾配が少なく歩きやすいコースです。 まずは、このエリアの地形の特徴からです。

<地形の特徴>
・武蔵野台地:地図全体に広がる黄色部分です
・井の頭池:中央上部の黄緑色の部分です
・神田川:井の頭池を源流として右下隅に流れてゆきます
・玉川用水:左上(三鷹駅)から右下にかけて流れています
玉川用水の流れが途中で東に曲がっています。これは茶色の丘を迂回するように水路が作られたためです。その様子をA-Bラインの断面図で見てみます。

茶色の丘は、周囲から5mも高くなっています。水路を掘る労力を考えると、玉川上水を迂回せざるを得なかったのがよく分かります。
それでは、実際に行ってみましょう。街歩きスタートです。吉祥寺駅南口の雑踏を抜けて、井の頭公園を目指します。
井の頭池
右側は、有名な焼鳥「いせや」です。建物は小綺麗になってしまい昔の面影はありませんが、行列は相変わらずでした。焼鳥のおいしそうな香りが漂ってきます。

武蔵野台地から階段を下って、井の頭池(低地)へ向かいます。

奥の四角い囲いから水がこんこんと湧き出しています。お茶の水です。
近くの案内板によると「その昔、当地方に狩に来た徳川家康が、この湧き水の良質を愛してよくお茶をたてました。以来この水は、お茶の水と呼ばれています」
家康がこの水で喉を潤したんだなぁと思うと感慨深くなりました。
弁財天に向かいます。

弁財天は混んでいたので、足早に通り抜けました。参道の階段を上り台地の上へ来ました。階段の段数は少なかったけど、急傾斜で息が切れました。奥に弁財天が見えます。井の頭池の低地との落差がよく分かります。
参道を進んで行きます。

鳥居に着きました。鳥居って赤いものだと思い込んでいました。黒はシックでカッコイイですね。
次は、玉川上水へ足を伸ばします。
玉川上水

少し歩いたところで玉川上水に突きあたりました。付近にあった看板の写真です。地図は北と南が逆になっているので見にくいのですが、玉川上水から牟礼上水に分水する所が、この地点のようです。

牟礼上水(現在は廃止)の取水口が中央右に見えます。取水口ってすごく小さいんですね。こんな大きさで分水できることに感心しました。
昔は、この取水口の上まで水が来ていたんですね。そう考えると、玉川上水はかなりの水深があったんでしょうね。

玉川上水に沿って遊歩道が続いています。落葉を踏みしめながらながら進んで行きます。靴を通して感じる落葉のやさしい感触に癒されます!

新橋です。玉川上水が丘を迂回してカーブし始める地点です。遊歩道が左にカーブしているのが分かります。
かつて、玉川上水で入水自殺をはかった太宰治の遺体は、この付近で発見されたそうです。今は落ち着いた住宅街になっていて、想像もつきません。
左にカーブした遊歩道を進んで行きます。

玉川上水沿いの遊歩道からの眺めです。画面中央の窪地が、神田川本流に注ぎ込む支流の源流部があった場所のようです。坂を下ったあたり水色の服の子供がいる辺りです。
源流部には水らしいものは見当たりませんが、すこし先に行くと暗渠となって水が流れているようです。
神田川の源流
玉川上水を離れ、神田川に向かいます。

道の奥に見えるのが、井の頭線の井の頭公園駅です。ゆるやかな下り坂になっているのが分かります。武蔵野台地の上から、井の頭池の低地に下りてゆきます。
井の頭公園に入るとすぐに神田川に出会います。少し上流に向かって歩くと源流部になります。

神田川の源流部です。手前が井の頭池になります。ここから東日本橋の柳橋まで流れ、隅田川に合流するんですね。柳橋付近はかつて仕事でよく行っていた場所です。柳橋でみたあの流れがここから始まっていたと思うと感慨深く、しばらく源流を眺めていました。
神田川に沿って、下流に向かって歩いてゆきます。

井の頭公園駅のすぐ裏を神田川が流れていました。小さな子供が水遊びできるほど水量が少なく、やさしい流れです。

すこし下流に進むと、川岸は護岸で固められていました。治水のためだと思いますが、何だか寂しい気持ちになりました。
井の頭公園を経由して、吉祥寺駅に戻ります。

途中、井の頭線・電車に遭遇しました。吉祥寺方面から井の頭公園駅にむかって、カーブしながら下っています。ぐぃーんと曲がっている感じがとってもイイです。
今回の街歩きは、ここまでになります。井の頭公園は何度も来たことがありますが、地形に興味をもってから来たのは初めてでした。武蔵野台地と井の頭池の高低差を堪能できたし、神田川の源流部も感慨深かったです。
あなたも井の頭公園を散歩しながら、神田川の源流部を探検してみてはいかがですか?
今回は、以下の本を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
・多摩・武蔵野スリバチの達人(多摩武蔵野スリバチ学会・監修/昭文社)
「多摩・武蔵野スリバチの達人」は、地図上に高低差が色分けされていて、台地・低地が手に取るようにわかります。また、地図上に川跡・暗渠、坂道・階段の記載があるので、街歩きに行く前のルート検討や街歩き後の振り返りにも最適です。さらに、現代地図と、明治期以降の古地図がセットで掲載されているので、地域の変遷もわかります。
街歩きをされる方には、是非お勧めしたい1冊です。
価格:1,650円(2021/10/1 20:00時点)、発売:2021年9月
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